脳梗塞のリハビリのお話です。
今日は、最重度の方のお話です。
その前に、重症度の判定にもちいられる、ブルンストロームステージというのがあります。
そのステージで最重度といわれるのが、ステージ1です。
ステージ1:筋肉がダラリとして締りが無く、緩んでしまっており、まったく動かせない状態。
反射運動や随意運動は消失し、他動的に動かすと抵抗がありません。(ブラブラな状態です。)
脳卒中の発作直後は、このような弛緩状態を呈しやすいです。つまり脳梗塞は、痛みやしびれから出るのではなく、突然手足に力が入らなくて、ブラブラな状態になるのです。
この状態から、症状の軽い人は徐々に機能が回復していきます。
問題は、リハビリがうまくいかなかった人や、症状が重度だった方です。
ブラブラ状態で、全く力が入らない状態で半年以上過ごすとその後の回復はほとんど不可能になります。
つまり、動かすための脳の神経細胞が無いことを意味しているからです。
脳梗塞からの回復は、無くなってしまった神経細胞は元には戻らないので、今残っている神経細胞でネットワークの再構築をすることなのです。
ですから、当院では、まずどのレベルでブラブラなのかをまず調べます。
① 肩から下がブラブラ
② 肘から下がブラブラ
③ 手首から下がブラブラ
①がもっとも重度の症状です。回復の見込みは無く、褥瘡防止や拘縮防止の治療になります。
しかし ②や③の状態なら、肩や肘を動かしているうちに回復することがたまにあります。ですのでなるべく早い段階でのたくさんのリハビリが必要になってきます。