スタッフの坪井です 😀 今年の8月は例年になく雨の日が多く感じられました。特に最近の雨は晴れていても急に降りだしたり、短時間にある場所だけ激しく降るゲリラ豪雨がよくありました。僕が昼からの往診の時にもゲリラ豪雨に遭遇して、車から患者様のお宅へ移動する短い距離でずぶぬれになってしまった事もありました 😥
全国的にも記録的な雨による災害が毎日のように放送され、『警報』や『注意報』といった言葉をよく耳にしましたが、今年は『記録的短時間大雨情報』という聞き慣れない言葉を耳にしました。『記録的短時間大雨情報』は一体何で、どのようなことを伝えるために発表されるのか気になり、調べてみました。
最近『記録的短時間大雨情報』が発表されたのは2014年8月20日の広島県広島市です。この日、広島市は大雨による土砂崩れで大きな被害がありました。レーダーによる解析で8月20日午前3時半までの1時間に、広島市安佐北区付近でおよそ120mm、広島市安佐北区上原では114mmの猛烈な雨を観測しました。広島地方気象台は2014年8月20日 3時49分に『記録的短時間大雨情報』を発表し警戒を呼びかけました。その後、広島市北部の安佐北区の住宅街を中心に、豪雨による大規模な土砂災害が発生し、大きな被害をもたらしました。
記録的短時間大雨情報とは大雨警報発表中に数年に1回程度しか起こらないような猛烈な雨が観測された場合に、より一層の警戒を呼びかけるために気象台から発表される情報です。記録的短時間大雨情報は1982年に長崎をおそった短時間の豪雨をきっかけに、翌83年から導入されました。記録的短時間大雨情報の発表基準は地域ごとに設定されています。基準値の低いところでは北海道根室支庁の1時間雨量60mm、高いところでは三重県・徳島県南部・高知県・沖縄県石垣島地方と宮古島地方で1時間雨量120mmとなっています。岐阜県では1時間雨量100mmが記録的短時間大雨情報の発表基準になっています。
では1時間雨量が100mmとはどのくらいの勢力なのでしょうか。19年9月26日に岐阜県で猛威を振るった伊勢湾台風は1時間雨量40〜70ミリの激しい雨が降り続き、家屋の全、半壊と河川の溢水、氾濫による悲惨な災害が各地に続出し、死者104名、家屋の全・半壊・破壊は23万戸、被害の総額は500億円にのぼり、県政史上かつてない大災害をもたらしました。また、2013年9月4日の大雨では岐阜県の歴代最高の一時間雨量108.5mmを観測し、記録的短時間大雨情報が発表されました。その際、岐阜の県立岐阜商業では腰まで水が達する冠水の被害があり、大垣でも大垣駅前が冠水しました。
気象庁では1時間雨量80mm以上の大雨を『猛烈な雨』と伝え、息苦しくなるような圧迫感、恐怖を感じる程の強さだと発表しています。
このように、『記録的短時間大雨情報』が発表された際には大きな被害が起こる可能性があるので十分注意が必要です。情報収集方法としてはテレビやラジオ、インターネットや携帯など様々ありますが、僕は気象庁ホームページで確認できる『レーダー・ナウキャスト』がおすすめです。『レーダー・ナウキャスト』は全国の気象警報・注意報を確認できます。指定をすれば市町村単位でも気象警報・注意報の発表状況を一覧表で確認できます。もちろん池田町も選択可能です!
池田町の気象情報の発表基準は次の通りです。
注意報 1時間雨量40mm
警報 1時間雨量70mm
記録的短時間大雨情報 1時間雨量100mm
『記録的短時間大雨情報』よりもさらに災害の危険がある場合には『特別警報』が発表されます。『特別警報』とは数十年に一度の降水量が予想され重大な災害が起こるおそれが著しく大きい場合に発表される気象情報です。最近では2014年9月11日に北海道石狩・空知・胆振地方に『大雨特別警報』が発表され45万2千世帯、90万5千人に避難勧告がだされました。こんな大雨が来たら、傘では通用しないのでカッパを着て往診頑張ろうと思います。
参考サイト
記録的短時間大雨情報とは
雨の強さの比較
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html
気象庁『レーダーナウキャスト』
http://www.jma.go.jp/jp/warn/328.html
池田町の気象情報発表基準
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/gifu/dosha_gifu.pdf